実証試験は昨年12月に県北部の鏡野町で2回実施し、ドローンの操作方法や狙った方向に鹿を追い出せるかなどを確かめた。操縦者から機体が見える上空90メートルの位置で、1日当たり平均5、6回(1回平均20分)ゆっくり飛ばした。猟犬の鳴き声は、ドローンに載せた高出力のスピーカーを通じて再生した。
ドローンを飛ばす条件は鹿の真上で飛ばしたり、追い込みたい方向に猟犬の鳴き声を流したりするなど、さまざまな条件を試した。今後の実証試験では、銃の発砲音や鹿自体が警戒する時に発する鳴き声なども検討する。
県は本年度予算で、約300万円を盛り込み、実証試験で幅広くデータ収集を進める。試験を委託する野生鳥獣対策連携センターは「猟師の高齢化や担い手不足が深刻化する中、省力化につながる技術として広げていきたい」と話した。
運用に向けた課題は、高度など地域によってドローンを飛ばす条件が異なること。県鳥獣害対策室は「最新技術を活用して被害を減らしていきたい」と力を込める。(西野大暉)