マダガスカルで陸稲新品種開発 国際農研
低肥沃(ひよく)度環境で優れた生産性を持つアウス稲の「DJ123」とサブサハラアフリカの主要陸稲品種「NERICA4」の交雑後代から選抜、育成された。2020~23年にかけて行った試験では、「NERICA4」に比べて、播種(はしゅ)日から出穂日までの生育日数が平均で6日短く、収量性は低収量環境では19%有意に高かった。精白米中の亜鉛含量が23%高いことも確認した。
同国の米消費量は日本の2倍以上だが、主食の稲の生産性が停滞しており、亜鉛をはじめとした微量栄養素の不足も深刻化している。国際農研は「新品種の普及で、マダガスカルの安定的な稲生産と栄養改善、貧困削減に貢献すると期待される」とする。