福岡花ござは国産のイ草を同県内で織ったもの。地域独自の「掛川織」は織り目の間隔が3センチと1センチで交互になる。厚みがあり、耐久、弾力性が高い。イ草の断面はスポンジ状で吸湿と放湿が可能。夏は涼しい肌触りを感じられる。
昔は手織りだったが、現在は全て機械織り。メーカーがデザインや商品を企画し、農家が製造する分業制となっている。需要が伸びる梅雨明け以降へ農家の忙しさも増す。
昨年からは、有志が「手織掛川技術保存会」を発足。木製の手織り機を使った伝統技術の継承を目指している。
同県大川市の花ござ製造、卸売業「トーシン」では、全て熊本県八代市産のイ草を使用。会長の田中範久さん(76)は「花ござは魔法のじゅうたん。イ草がもたらす快適さを知ってほしい」と話す。