農水省は１７日、今後１カ月の全国の病害虫発生予報を発表した。果樹カメムシ類やタマネギのべと病、トマトのコナジラミ類が広い範囲で多くなると予想した。地域によってはイチゴのアブラムシ類などが多くなる。水稲では暖冬を踏まえ、スクミリンゴガイ（ジャンボタニシ）への注意を呼びかけている。

　果樹カメムシ類は果実を吸汁加害するカメムシの総称で、発生は南関東、近畿、中国、四国の一部地域で多くなるとした。被害を受けた果実は、変形、腐敗し商品価値を失う。同省は、県の発生予察情報などを参考に農地を小まめに観察し、飛来初期から防除を実施するよう呼びかける。注意報が３月下旬に愛媛県、４月上旬に神奈川県で発表されている。　

　タマネギのべと病は近畿、中国、四国で多くなると予想した。淡く黄色みがかった病斑が葉に発生することなどが特徴。同省は、病気にかかった株の抜き取りや薬剤での防除を呼びかける。３月下旬に滋賀と島根、愛媛の各県で注意報が発表されている。

　トマトは南関東、東海、四国でコナジラミ類の発生が、イチゴは東海と中国でアブラムシ類の発生が「多い」と予想した。

　ジャンボタニシは、冬場の気温が高かった地域では、多くの個体が越冬している恐れがあると指摘。ネットや金網による侵入防止や、発生が多い水田では「石灰窒素の散布検討が必要」とする。また、未発生地域や被害防止に取り組む地域では、除草目的であっても放飼しないよう呼びかけている。